【M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO】愛猫撮影用に単焦点レンズを買ってみた

カメラ
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手持ちのPROレンズでは表現出来ない美しいボケと描写力を得たくて、PROシリーズの単焦点レンズを購入しました

今のボディ(OM-D E-M1 Markii)への買い替えを機に、その性能を引き出そうとコツコツとレンズを買い揃え、F2.8通しで超広角から望遠域(7mm~150mm)まで使える様になった事で概ねイメージ通りの写真が撮れる様になりました。

ただ、自宅で愛猫(シャルトリューのグリさん)を撮影していると、どうしても暗所で高ISOを使わざるを得ないシーンやポートレート撮影で多用される焦点距離(25mm~50mm程度)でもう少しボケを得たいと思えるシーンが増え、もう少しF値が明るいレンズが欲しくなって来ました。

F2.8通しで一通りの焦点域のレンズを揃えた時点で、もう新しいレンズは買わないと決めたつもりですが・・・これがカメラ沼という物なのでしょうか?(笑)

NEWレンズ購入候補の検討

そんな経緯で日増しに新しいレンズが欲しくなったのですが、手持ちのレンズより明るいF値となると、一部例外はあるものの単焦点レンズにターゲットが絞られるので、その中から購入候補を検討する事にしました。

NEWレンズに求める条件としては以下の通り。

  • とにかくF値が明るいこと(F値1.4未満)
  • ポートレート撮影で多用される焦点距離(25mm~50mm程度)であること
  • 絞り開放から描写力に優れていること
  • (出来れば)撮影シーンを制限されたく無いので防塵防滴であること

開放F値を最優先で選ぶと、マイクロフォーサーズ用の単焦点レンズとしては群を抜く開放F値(F0.95)と個性的な描写で定評のあるVoigtlander NOKTON の25mm(又は42.5mm)が最有力候補となるのですが、唯一にして最大のネックがMFレンズである事。
やはり、AFレンズしか使った事が無い人間にとっては、MFレンズと聞くだけでどうしても使いこなすにはハードルが高いイメージを持ってしまいます・・・。

実際、単焦点レンズの購入を検討し始めた段階で、試しに手持ちのレンズで愛猫をMFだけで撮影※してみましたが、手持ちのF2.8なレンズですらピント合わせに四苦八苦し貴重なシャッターチャンスを逃す始末だったので、より被写界深度が浅いレンズをMFで、しかも予測不能な動きをする動体相手に使いこなす自信が全く無かったので、今回はNOKTONの購入は見送る事にしました。
※手持ちのM.ZUIKO PROシリーズのレンズは全てMFクラッチ付きなのでAF・MFの切り替えが可能です

購入した単焦点レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO」

そんな検討過程を経た結果、NEWレンズに求める条件を満たすAFレンズの中から、防塵防滴である事と全域で素晴らしい描写力が得られるとの評価が高かったM.ZUIKO DIGITAL ED F1.2 PRO一本に購入対象を絞り、愛猫以外に愛車や飛行機撮りでも活用したい意図もあって焦点距離は45mmのモデルを購入しました。

過去に使っていたM.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.8と比べると、サイズも重量もアップするので携帯性やボディとのバランスが気になる所でしたが、重量バランスといい手に持った時の収まり具合といい、ちょうど良い具合。

他のPROレンズと同様に鏡筒部分は金属外装でリングはローレット加工が施されており、手に触れた際の感触や操作感を含め造りの良さを感じます。
OM-D E-M1 Mark IIはマグネシウム合金製の外装なので質感も合っており、非常にマッチした組み合わせです。

機能的にも他のPROレンズと同様にL-Fnボタン(ファンクションキーとして利用可能)とMFクラッチ(リングを前後させる事で瞬時にAFとMFの切り替えが可能な機能)を備えています。
L-Fnボタンには任意の機能を割り当てる事が出来るので、AEロックを多用する私にはとても有難いボタンです。

テスト撮影画像

使い始める前に、取り敢えず今まで使っていたF値とのボケ具合の違いを確認しておこうと、常用するであろうF値の範囲でテスト撮影してみました。

※画像上段左から順にF8.0→F5.6→F4→F2.8→F1.8→F1.2

F2.8でも程々のボケ具合が得られますが、やはりF1.2と比べると段違いですね。
被写体から数十センチも離れると判別が難しい程度にボケてくれるので、どうしても余計な物が映り込みがちな自宅を動き回り愛猫撮影用途では武器になりそうです。

あと、購入理由として室内での猫撮りだとどうしても暗所で高ISOを使わざるを得ないシーンが多くなる事を上げましたが、F値が上がった分(約3段)だけシャッタースピードが稼げる様になり、今までより低いISOでも猫の動きを止めて撮影出来る様になるので、実際に猫を撮影して得られる画と共に期待大です!

M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PROで愛猫撮影

テスト撮影をしていると、愛猫のグリさんが「その見慣れない箱はニャンだ?」とばかりに近寄って来たので(笑)
さっそく愛猫撮影してみました。

E-M1MarkII f/1.2 1/640sec ISO-400 45mm

テスト撮影でも感じていましたが、開放F値でも予想以上にシャープな描写。

E-M1MarkII f/1.2 1/500sec ISO-400 45mm

ソファーも部分的にピントを合わせてみた一枚。
奥に写っているキャットタワーのポールやクッションまでは1メートルもありませんが、豊かなボケが得られるので、狭い空間でもより愛猫の存在をより際立たせた写真撮影が楽しめそうです。

E-M1MarkII f/1.2 1/320sec ISO-400 45mm

E-M1 Mark iiとの組み合わせであればAFは非常に早くて正確なので、ピント合わせした位置で見ればピンボケする事は殆どありませんが(このショットだと右目にピントを合わせたので意図したボケ具合を得られました)

E-M1MarkII f/1.2 1/250sec ISO-400 45mm

相当被写界深度が浅い事もあって、そのコントロールが身に着くまでは、この写真みたいに「顔全体にピントを合わせたつもりなのに鼻がボケてしまった!」といった失敗例を量産しそうです(笑)

その他の作例

今まで使っていたF2.8なレンズと違い、ライティングする事無く低ISOで高速シャッターを使った撮影が可能になったので、愛猫に嫌がられる事無く、毛繕いをする様子の撮影も楽しめる様になりました。

M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PROで屋外撮影(作例と関連記事紹介)

E-M1MarkII f/1.2 1/20000sec ISO-200 45mm

愛猫撮影においては狙い通りのメリットを感じたこのレンズですが、屋外撮影ではどんな描写を見せてくれるか気になったので、購入後何度か旅に連れ出して、愛車はもちろん、自然の景色やポートレートなど、色んな被写体を撮影してみました。

2020年秋 四国東部の旅

E-M1MarkII f/1.2 1/500sec ISO-200 45mm

このレンズを手に入れて初めての旅は、国道55号のシーサイドドライブを楽しみつつ、美味しいキンメダイグルメや北川村モネの庭マルモッタンなどの高知東部の自然とグルメを、このレンズならではの素直かつ美しいボケと描写力で切り取る事が出来、これ以来、カメラを持ち出す際には欠かす事の出来ないレンズとなりました。

2020年秋 大山紅葉ドライブ旅(ロードスター編)

E-M1MarkII f/6.3 1/20sec ISO-200 45mm

黄金色に輝く大山のブナ林をバックに、向日葵色のロードスター撮影を満喫した旅では、開放だけでなく、少し絞ってパンフォーカス気味に撮影した時の描写力も非常に素晴らしく、このレンズの魅力だと感じました。

2020年秋 大山紅葉ドライブ旅(CX-3編)

E-M1 f/4 1/1000sec ISO-200 45mm

ロードスターで旅した2週間後、今度はCX-3で星撮りをメインに大山を再訪した旅では、絞った時に得られるこのレンズならではの描写力で、色んな時間帯でソウルレッドのボディを魅力的に撮影する事が出来ました。

まとめ

E-M1MarkII f/1.2 1/400sec ISO-400 45mm

愛猫をより魅力的に撮ってみたいと購入したM.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO

実際に使用してみてスペック通りの明るい開放F値ならではの、非常に豊かかつクセの無い美しいボケが得られる事はもちろん、絞ってパンフォーカス撮影した際の描写力も非常に優れており、我が家の用途的に絶妙にフィットした焦点距離もあり、ポートレート撮影だけでなくドライブ旅でも常に連れ出す様になった、非常に使い勝手の良い欠かせない一本になりました。

マイクロフォーサーズユーザーで、対応ボディとの組み合わせによる防塵・防滴・耐低温のメリットを活かし、撮影環境に縛られず様々なシーンで使える描写力に優れた単焦点レンズが欲しい方には、非常にお勧め出来るレンズです。