【Voigtlander NOKTON 10.5mm F0.95】星空撮影用に超広角単焦点レンズを買ってみた

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手持ちのPROレンズでは捉える事が出来ない星空を撮りたくて、明るい単焦点レンズを購入しました

今のボディ(OM-D E-M1 Markii)への買い替えを機に、その性能を引き出そうとコツコツとレンズを買い揃え、F2.8通しで超広角から望遠域(7mm~150mm)まで使える様になった事で概ねイメージ通りの写真が撮れる様になりました。

超広角レンズに加えポータブル赤道儀も手に入れた事で、それまでの機材より断然少ないノイズで天の川などの星景撮影を楽しむ事が出来る様になり概ね満足していたのですが、先日紹介したM.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO購入時に比較検討したVoigtlander NOKTON(フォクトレンダー ノクトン)で撮影した星景写真の作例を見て、開放F値が0.95という事もあり、手持ちのレンズ(M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14 F2.8 PRO)とポータブル赤道儀の組み合わせで撮った物よりも遥かにノイズが少ない上に暗い星空までキッチリと捉えている事に衝撃を受け、それ以来ずっと気になって仕方が無いレンズで在り続けていました。

F2.8通しで一通りの焦点域のレンズを揃えた上に、猫撮り用の単焦点レンズも加えたので、今度こそ、もう新しいレンズは買わないと決めたつもりですが・・・これがレンズ沼という物なのでしょうか?(笑)

Voigtlander(フォクトレンダー)とは?

18世紀にオーストリアで創業したフォクトレンダーは世界最古の光学機器メーカーのひとつと言われています。
現在はその商標権を獲得した日本の光学機器メーカであるコシナによって、フォクトレンダーブランドのレンズが開発・販売されています。

voigt Top

 

NEWレンズ購入候補の検討

購入対象とするレンズ自体に変更の余地はありませんが、中古で買った場合でも10万円程度の出費を伴う買い物になるので、本当に自分の用途に合っているのか冷静に考え直す意味も含め、改めて星景撮影用レンズに求める条件を考えてみました。

NEWレンズに求める条件としては以下の通り。

  • とにかくF値が明るいこと(F値1未満)
    →開放F値は0.95(最近リリースされたSUPER NOKTONであれば何と0.8!)なので問題無し
  • 超広角域(35mm換算で24未満)の焦点距離であること
    →10.5mm(35mm換算で21mm)からのラインナップがあるので問題無し
  • 絞り開放から描写力に優れていること
    →10.5mmでの作例を見る限り絞り開放から描写力に優れており、周辺減光が気になるものの、現像処理の段階で補正可能(Lightroomであればレンズプロファイルが用意されています)なので問題無し
  • (出来れば)撮影シーンを制限されたく無いので防塵防滴であること
    →PROレンズの様に防塵防滴(耐低温)では無いので、そう言った要素が求められる事が無い撮影シーンでの利用に留めるか、別途対応方法を検討する必要がある

今回は星景撮影をメインターゲットとしており、前回M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PROを購入する際にネックとなっていたMFについても全く問題にならない(星景撮影では一旦ピントを決めれば後は固定で問題無い)ので、MFレンズである事が購入のハードルになりませんし、防塵防滴(耐低温)についても、星景撮影は当日の気象条件が安定している日を事前確認してから撮影に臨むケースが殆どで、防塵防滴について気を配る必要性は低いです。

唯一耐低温については気になる所ですが、例えば真冬のビーナスラインなど、どうしても氷点下2桁以下の極寒地で明るい単焦点レンズが必要となる撮影を行う事になった場合に、改めて検討する事にしました。

購入した単焦点レンズ「Voigtlander NOKTON 10.5mm F0.95」

E-M1MarkII f/2.5 1/13sec ISO-200 45mm

箱にデカデカと書かれたF0.95の文字に期待が高まります!

用途的にも問題無いと再確認出来たので、作例を見て以来ずっと気になっていた「Voigtlander NOKTON 10.5mm F0.95」を購入しました!

E-M1 f/2.8 1/10sec ISO-400 45mm

E-M1 Markiiに装着した状態。

前回の記事で紹介したM.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PROとサイズ的には大きな違いが無いものの、マイクロフォーサーズ用のレンズらしからぬ重量(585g)があることと、フードを含め全て金属製な事もあり、実際の重さ以上に手に取った時にずっしりとした感覚があります。
E-M1 Markii(E-M1無印)であれば重量的にアンバランスに感じる事はありませんが、PENやOM-D系でもE-M10などの軽量級なボディとの組み合わせだとレンズが倍ほど重くなるので、長時間の撮影だと辛く感じるかも知れません。

電子接点が無いレンズな事もあり、絞りはレンズ本体側のリング(白ポチが付いている箇所)で調整する必要があります。
リング自体は1/3段ずつ調整可能な事と心地良いクリック感も相まって操作性は良好ですが、EVF側に現在選択しているF値が表示されないため、視覚的に微妙なF値の違いを掴める様になるまでは「あれっ?今どのF値選んでたっけ??」なんて事が頻繁に起きそうです(笑)

あと、分かっていた事ではありますが、超広角で明るい単焦点レンズという特徴もありフィルター径は72mmあるため、手持ちのM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40 F2.8 PROや45mm F1.2 PRO(フィルター径62mm)と共用出来ないのは少々痛い所。。。
幸いM.ZUIKO DIGITAL ED 40-150 F2.8 PROとは同じフィルター径なので、取り敢えず晴天下でスローシャッター撮影する機会に備えNDフィルターから買い揃えようと考えています。

テスト撮影画像

E-M1MarkII f/0.95 1/20sec ISO-200 10.5mm

本格的に使い始める前に、取り敢えずF値0.95の威力はどんな物かを確認しておこうと、テスト撮影してみました。
こちらは20cm程度離れた場所に置いたレンズにピントを合わせ撮った一枚
※EIXF情報はE-M1 Markiiのレンズ情報登録機能に登録した内容のため、F値に関しては実際の撮影時の設定と異なる場合があります

最短撮影距離が0.17mとかなり寄って撮影出来る事もあり、画角の広さを感じさせない見事なボケ具合。
これ位寄った上で開放で撮影すると、少し渦を巻いている様な独特のボケ感が得られますね。

このレンズが初めて本格的に使うMFレンズですが、適度なトルク感があるピントリングのお陰で、絞り開放時の繊細なピント合わせも行い易いと感じました。
ただ、この距離だとターゲットとなる被写体が大きい事もありピント合わせにそれほど苦労しませんでしたが、数メートル先の被写体だと相当小さいターゲットに対してピント合わせする事になるため、MFアシスト無しで正確にピントを合わせるのは相当難しそうです。

こちらは現像時のレンズ補正効果を確認するために、補正ON/OFFでそれぞれ現像した画像
※左:補正OFF、右:補正ON

補正OFFの状態だと周辺減光と湾曲収差が目立ちますが、被写体や表現したいイメージによっては敢えて残した方が、このレンズならではの味的な物が感じられて良いのでは?と感じました。

Voigtlander NOKTON 10.5mm F0.95で夜景撮影

E-M1MarkII f/0.95 2.5sec ISO-200 10.5mm

エスペラント語で「NOKTON=夜」を意味する名前を与えられている通り、圧倒的な開放F値の明るさを活かした低照度下での撮影において、その威力を発揮するこのレンズ。

E-M1MarkII f/0.95 4sec ISO-200 10.5mm

実際、自分自身で撮影する機会が得られる迄は、低ISOでもシャッタースピードを稼ぐ事が出来る点に一番の魅力を感じていましたが、F2程度に絞るだけで、途端に絞り開放ではフワッとした感じだった描写がシャープになる上に非常に美しい光芒が得られる事に気付き、ようやくこのレンズに込められた名前の意図の本質を知った気がしました。

電子接点を持たないレンズでの手振れ補正について
電子接点を持たないレンズを使う場合はボディ側でレンズの焦点距離を認識出来ないので効果的に手振れ補正が効きません。そのため手動で焦点距離を登録する必要があります。
※E-M1 MarkiiであればC2.レリーズ/連写/手振れ補正→手振れ補正メニューより登録します。
その他の作例

Voigtlander NOKTON 10.5mm F0.95で星景撮影

E-M1MarkII f/0.95 60sec ISO-800 10.5mm(ポータブル赤道儀使用)

購入直後に天の川が撮影出来る場所まで旅して来たので、さっそく星空撮影を試してみました。

事前のロケハン不足で光害の影響が多めな場所での撮影でしたが、ISO-800でもここまで星空をあぶり出してくれるので、大台ケ原など、もっとコンディションが良い場所での撮影がとても楽しみです。

独特の描写とボケ感を活かして日中の撮影でも活用出来そうです

E-M1 1/200sec ISO-200

旅先のスナップ撮影でも「何となく味のある写真」に感じさせてしまう、とても個性的な描写です

タイトルに記した通り、元々は星空撮影用として購入したレンズですが、購入後に旅に連れ出して一日を通して撮影してみると、他に所有するレンズでは得られない、特に絞り開放時に強烈に感じる独特の描写とボケ感が非常に魅力的に感じる様になりました。

接写性能を活かし、絞り開放で思い切り主役になる被写体を主張したインパクトのある一枚を撮ったり、フレアやゴーストが独特な出方をするので、日中の快晴下で光芒した太陽を入れた一枚を撮ったりするなど、他の手もちのレンズでは得られない表現にチャレンジする楽しみ方も出来そうです。

その他の作例

まとめ

E-M1MarkII f/0.95 1/25sec ISO-400 10.5mm

自宅で愛猫撮影にもチャレンジしていますが、流石にMFレンズ初心者には動体撮影はハードル高いですね。。。

星空撮影用に活用しようと購入したVoigtlander NOKTON 10.5mm F0.95

実際に使用してみた感想としては、前回の記事で紹介したM.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PROが絞り開放から一貫して解像感のある素直な描写なのに対し、Voigtlander NOKTON 10.5mm F0.95は絞り開放では周辺減光も多く、しかも強烈に個性的でソフトな描写と明確にキャラが異なるので、当初想定していた日中と夜間で使い分けするには非常に勿体無い、時間帯を問わず活躍してくれそうなレンズだと感じています。

マイクロフォーサーズ用レンズらしからぬ重さだったり、AFが使えなかったり、オリンパスのPROレンズの様な防塵防滴耐低温性能が得られなかったりと、マイクロフォーサーズならではの機動性を最優先にした機材選びをする方には余り積極的にお勧め出来ませんが、多少機動性は犠牲にしても構わないので、「このレンズでしか得られない個性的な描写が欲しい」とお考えの方には、非常にお勧め出来るレンズだと思います。