CX-3にDIYでサブウーファーを取り付けてみた

DIY
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走行中不足気味に感じる低音域の補強を狙って、パワードサブウーファーを取り付けてみました。

パワードサブウーファー取り付けの経緯

社外品のスピーカーと外部アンプを導入した事で(一応ですが)ハイレゾ再生にも対応し、純正から劇的に音質アップしたCX-3のオーディーオ環境。
必要最低限のコストで満足出来る環境が構築出来たので、オーディーオ関連の弄りは打ち止めにするつもりでしたが、唯一「もう少し何とか出来れば・・・」と感じていたポイントが(重)低音の不足。
大音量で聴かない事もあって、特に路面状況が良くない道を走行している時などに低音域の不足を感じます。

「所詮カーオーディオだし、ケチケチ環境だし妥協しなければ」と自分に言い聞かせていたのですが(笑)
緊急事態宣言のお陰で2021年は満足にクルマ趣味を楽しめていないので、暇つぶしも兼ねてDIYして過ごそうと音質アップ計画を練ってみました。

音質アップ計画の前提条件

以下の前提条件で購入機器を選定しました。

    1. ラゲッジスペースを犠牲にしたくないため、車内設置が可能(シート下に収まるサイズ)であること。(必須条件)
    2. 導入済みの外部アンプ(KTP-600)ではサブウーファー駆動出来ないので、パワードサブウーファーであること。
    3. スピーカー、アンプの導入価格を踏まえ、なるべく安価な製品であること。
    4. 配線が面倒なので、ヒューズボックスより電源取得可能かつLINE入力可能であること。

購入候補に挙げた製品

今回は「シート下に収まるサイズであること」が必須条件だった事もあり条件に合致する機種が殆ど無く、2機種から選択する事になりました。

候補1:carrozzeria TS-WX130DA

最大160W出力可能なClassDアンプを内臓した、20cm×13cmパワードサブウーファー。
ローパスフィルターは50Hz~120Hzの間で調整可能です。

デジタルEQを内蔵しており、好みに応じて出力特性を(DEEP 20 Hz~200 Hz、90db/DYNAMIC 40 Hz〜160 Hz、100db)切り替える事が出来る点が特徴です。

また、この機種のもう一つの特徴として、最大消費電流が4.3Aしか無いのでヒューズボックスからの電源確保が容易な点が挙げられます。
その他、寸法的にもシート下に収まるサイズ(280 mm (W) × 70 mm (H) × 200 mm (D))であったり、LINE入力、SP入力いずれにも対応していたりと前提条件は全て満たしていましたが、今回は価格を優先したので購入には至りませんでした。

最大150W出力可能なMOS-FETアンプを内臓した、20cm×13cmパワードサブウーファー。
ローパスフィルターは50Hz~125Hzの間で調整可能です。こちらの機種は周波数特性は固定(35Hz〜150Hz)ですが、とにかく価格が安い点が最大の特徴で、セール時のポイント還元と組み合わせると実質1万円未満で購入可能な時もあります。
最大消費電流が8.5Aあるため、ヒューズボックスからの電源確保先が20A以上の場所に限定されてしまいますが、その他、寸法的にもシート下に収まるサイズ(280 mm (W) × 70 mm (H) × 190 mm (D))であったり、LINE入力、SP入力いずれにも対応していたりと前提条件は全て満たしていました。
それぞれのメリット・デメリットを検討した結果、1cmでも奥行き寸法が短い方が良い点とデジタルEQを使い分ける事が無さそうに感じた点が決め手となり、KENWOOD KSC-SW11を購入する事に決めました。

パワードサブウーファー(KSC-SW11)取り付けに当たって購入した物

KSC-SW11取り付けにあたり、環境に応じて本体とは別に必要となる物を紹介します。

1.ENDY 電源取り出しコネクター EPP-024N(必要に応じて購入)
マツコネの音声出力を外部アンプなどの機器へ入力する場合に利用するコネクターです。
このコネクターを利用する事で、既存配線を一切傷つける事無くマツコネのチューナーアンプユニットからACC電源やスピーカー信号が取得出来るので、マツコネにパワードサブウーファーだけ追加したい場合に利用すると便利です。
(我が家の環境では外部アンプ導入時に既に取り付け済みなので、今回のサブウーファー導入では手順を省略しています)

 

※外部アンプ導入時の記事はこちら(マツコネのチューナーアンプユニット(20P)配線図、バッ直を含めた取り付け方法を解説しています。)

2.結束バンド
各種配線の固定時に使用しました。
ミニバンなどでの設置も想定している様で電源やリモートコードの配線が非常に長いので、100均で売っている物でも良いので用意しておいた方が良いと思います。

3.低背ヒューズ電源(必要に応じて購入)
ヒューズボックスから電源を確保するために使用しました。
前述の通り、KSC-SW11は最大消費電流が8.5Aあるため20Aの物を購入しました。
安全性を優先し、バッ直する場合は電源取り出しコネクターの項目で紹介した「外部アンプ導入時の記事」を参照ください。

4.両面テープ付きの面ファスナー(必要に応じて購入)
KSC-SW11には取付金具とボルトが付属していますが、ボルトを使った固定は車体側への加工が必要となるため、金具を使った固定の代替手段として使用しました。

面ファスナーでの固定はリスクも伴うため自己責任で

車体への加工を避けたかった点と、一般道の運転で発生し得る減速Gを考慮し面ファスナーでの固定方法を選択しましたが、面ファスナーでは固定し切れない減速Gが発生するケースを否定出来ないので、取り付け金具・面ファスナーそれぞれの取り付け方法でのメリット・デメリットを検討した上で、自己責任で固定方法を選択する様にしましょう。

5.RCAメス→オス(2分配)ケーブル(必要に応じて購入)
マツコネで音楽再生する場合は、電源取り出しコネクターを使いスピーカー線から入力するため不要です。
我が家のオーディオ環境はUSBDACの音声出力をKTP-600へLINE入力していますが、パワードサブウーファーに対してもLINE入力させるために、既存の配線を2分配させるために使用しました。

KSC-SW11の外観・付属品

 

本体と検品する愛猫の様子(笑)
単体で見ると少し厚みがある印象を受けますが、検品する愛猫の様子からパワードサブウーファーとしては薄めに出来ている事が分かると思います。

本体背面とリモートコントローラー
左・真ん中:配線類は付属の金具で固定出来る様になっています。
右:リモートコントローラーはボリューム・カットオフ周波数・位相を調整出来る様になっています。

 

付属品(配線)
左:電源と音声入力が一体となったケーブル(本体のPOWER/INPUT端子へ接続)で、タグの色ごとに青はACC電源、黄はプラス電源、白はLINE入力、黒はアースへそれぞれ接続します。(取り付け手順は後述)

右:音声をスピーカー出力から得る場合に使用するケーブル。(今回はLINE入力させたため使用しませんでした)

その他付属品(金具類、緩衝材)など
左・真ん中:本体や配線を固定する金具とネジ、リモートコントローラー固定用の面ファスナーと異音防止の緩衝材が同梱されていました。
右:外部アンプへのLINE入力を分岐させるために使ったRCAケーブル(RCAメス→オス(2分配)ケーブル)と低背ヒューズ電源(20A)

取り付けにあたって必要な工具など

KSC-SW11取り付けにあたって必要(あった方が楽)な工具を紹介します。
※ヒューズボックスから電源を取る前提で記載しています。バッ直させる場合は「外部アンプ導入時の記事」を参照してください。

  1. メガネレンチ、又はソケットレンチ(10mm)
    車内のアースポイントのナットを回す際に使用します。
    メガネレンチであれば首振りタイプを用意すると、運転席足元など狭い場所での作業性がアップします。
  2. プラスドライバー
    本体付属の金具を固定する際に使用します。
  3. 配線通し
    配線施工時に使用します。針金でも代用可能ですが、あると作業が楽になります。

CX-3への取り付け手順

大まかに以下の手順で取り付けました。

  1. 運転席シート下への本体仮置き・ケーブルの取り回し
  2. アースポイント確保
  3. ACC電源確保
  4. プラス電源確保
  5. LINE入力確保
  6. 試聴・本体設置
1.運転席シート下への本体仮置き・ケーブルの取り回し

Redmi Note 9S

仮置きした状態の画像。シート前方の窪みにピッタリと収まる寸法なのが分かると思います。

音質アップ計画の前提条件で述べた通り今回はシート下へ設置するので、一旦本体をシート下へ仮置きしてケーブルの取り廻しを行います。
配線を取り回す手間を考慮し、運転席の前方足下スペースに設置しました。
本体のPOWER/INPUT端子が奥に位置するので、ケーブルは一旦後部座席側に取り回しておきます。

2.アースポイント確保

Redmi Note 9S

アースポイントを取得するため、サイドシルの配線穴を経由して運転席足元までアース線を取り回します。
画像はサイドシルカバーを取り外した状態。カバーはプラスチックの爪で引っ掛かっているだけなので、手で引っ張れば簡単に外せます。
※カーバ取り付け時はプラスチックの爪が配線を噛まない様に気を付けましょう。

アースポイントは外部アンプ導入時と同じく、チューナーアンプユニットコネクタ近く(画像右側に写っている無塗装の10mmナット)から取得しました。
※アクセスし難い場所にナットがあるので、締め付け時のトルク不足には要注意です

この場所へアクセスするにはプラスチックのカバーを取り外す必要がありますが、サイドシル側のパッキンを取り外した上で、カバーの先端(アクセルペダルの辺り)にあるプラスチックのスクリューを回せば取り外す事が可能です。

3.ACC電源確保

Redmi Note 9S

ACC電源は外部アンプ導入時に取り付けた電源取り出しコネクターより取得したので、アースポイントと同じく、サイドシルの配線穴を経由して運転席足元まで配線を取り回しました。

5.プラス電源確保

Redmi Note 9S

プラス電源は助手席足元にあるヒューズボックスより低背ヒューズ電源を使って取得しました。

この場所へアクセスするには運転席側と同じくプラスチックのカバーを取り外す必要がありますが、サイドシル側のパッキンを取り外した上で、カバーの先端にあるプラスチックのスクリューを回せば取り外す事が可能です。

電源を取得したヒューズの位置です。
KSC-SW11の最大消費電流(8.5A)をヒューズ電源で得る場合は最低20A必要なので、一見するとパワーウインドー(25A)や運転席パワーシート(30A)の方が望ましいですが、万が一のリスクを考え運転に係わる装置は避け、シートヒーターで使用している15番より取得しました。

我が家のCX-3はシートヒーター付きのグレードなので15番は空きスペースではありませんが、通常ヒューズの容量は実際に使用する消費電流の倍以上の安全マージンを持たせている事と、KSC-SW11の最大消費電流(8.5A)を踏まえてこの場所に決めました。

 

Redmi Note 9S

プラス電源の本体までの取り回しはセンターコンソール裏側の空間経由で行いました。
プラス電源の先端にはヒューズが付いており出っ張りがあるので、配線通しを使って助手席側から運転席側へ引き込んだ方が楽に配線が取り回せます。

プラス電源をバッ直で取得する場合は、外部アンプ導入時の記事を参考にエンジンルームまでプラス電源の取り回しを行ってください。

 

6.LINE入力確保・リモートコントローラー接続

我が家のオーディオ環境はUSBDACの音声出力をKTP-600へLINE入力していますが、今回用意した分配ケーブルを使って既存の配線を2分配し、KSC-SW11のLINE入力へ接続しました。

マツコネをヘッドユニットとする場合は、「外部アンプ導入時の記事」を参考に電源取り出しコネクターよりフロントスピーカー線を分配した上で、付属のスピーカー入力ケーブルを使いKSC-SW11へ入力します。

リモートコントローラーは初期設定以外で使う事が殆ど無さそうなので、付属のリモートコントローラー固定用の面ファスナーと異音防止の緩衝材は使用しませんでした。

 

7.本体設置

Redmi Note 9S

一通りの配線を終えたので、最後に本体を面ファスナーで固定して取り付け作業完了です。

試聴してみた感想

SH-M15 f/2 1/50sec ISO-183 3.432mm

設置後、動作確認と初期設定を兼ねて幾つかのジャンルの曲で試聴してみましたが、導入当初の目的は狙い通り達成出来ていると感じました。

  • 使っているスピーカー(carrozzeria TS-F1740S)とのバランス
    TS-F1740Sフラットな出力特性な事もあり、50%程度のボリュームで使うのが最も原曲の録音状態に近いバランスが取れた音だと感じました。
    カットオフ周波数に関しては低過ぎるとウーファーだけ孤立してしまうし、高過ぎると一部分だけ浮いてしまう印象があるので、一番違和感を感じ無い50%程度のボリューム(80~90Hz辺り)で使っています。
  • 重低音域の音圧、音質
    前述の設定で路面状況が悪い道を走ってみましたが、サブウーファー導入前に感じていた低音不足はしっかりと補強出来ており、音質面でも不満は感じませんでした。
    そもそもボリューを上げて聴かない事もあり、音圧的には如何にも「サブウーファーが入ってます!」といった体の中まで届く様な重低音は得られませんが、「重低音の不足を解消する事が一番の目的で低音を目立たせる意図は無い」事を考えると、停車時にスピーカー単体で感じていた音のバランスを崩さない形で重低音が補強出来ているので、導入の狙いとしては上手く行った様に感じました。

まとめ

暇つぶしがきっかけで導入してみたパワードサブウーファーですが、唯一「もう少し何とか出来れば」と感じていた(重)低音の不足も満足いくレベルで解消されたので、これでようやく「必要最低限のコストで満足出来る環境構築が完了した」事に出来そうです(笑)

DIYでの取り付けに関しても、今回は作業経過の写真を撮ったり、一部段取りが悪かった点もあったりで2時間近く掛かってしまいましたが、事前に必要な工具を準備しておく事と、各入力をどこから行うかをしっかりと確認しておけば、作業そのものの難易度はDIY初心者でも問題無く出来るレベルだと思います。

MAX150Wで200mm×120mmの振動版を駆動させるお手軽ウーファーなので、体の中にまで響く様な重低音を得たい目的には全く不向きですが、お手軽価格かつ貴重なCX-3のラゲッジスペースを犠牲にする事無く設置可能な点を踏まえると、「設置の難易度含めて手軽に低音を増強させたい」用途であればおススメ出来ると感じました。