CX-3 半年乗ってみての評価

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2015年式CX-3を新車購入後、半年乗ってみての評価

約5,000Km走行しての自分なりの評価

昨年6月上旬にCX-3が納車されてから約半年が経過しました。

2015ふり返り16

この間、都市部での街乗り・都市高速から、郊外の海沿いの国道や峠道、高速での長距離クルージングなど、約5,000kmを走破しましたので、この辺りで一度このクルマについて自分なりの評価を残しておきたいと思います。

2017/4/10追記 納車から約2年が経過し、こちらの記事へ再度自分なりの評価を残しました

評価の前に、私がこのクルマを選ぶにあたっての基準となった、家庭環境や利用形態、クルマに求める方向性などを示しておきます。
価格コムやCarviewなど、クルマの評価を行うサイトは数多くあり、サイト毎に多少違いがあるものの様々な角度からの評価が行える様になっていますが、これら全てのサイトにおいて評価者がどういった背景やスタンスに基づいてそのクルマを評価したのかを知る項目が殆どと言っていい程無く、またプロと呼ばれる人も含め、評価者も自分のスタンスを明確にする事無く評価だけ記述しているので、どれが我が家と同じ目線に立った上での評価なのかが分からなくて参考にならなかったんですよね。。。

※この評価の記述と一部重複する内容がありますが、CX-3の購入を決めた経緯についてはこちらのブログを参照して下さい。

■家庭環境や利用形態など
家族構成:嫁と2人暮らし
所有台数:NCロードスターと合わせ2台
年間走行:2台合わせて15,000km程度を想定
用途  :日帰りドライブ>1泊以上での長距離ドライブ※>買い物(50%:40%:10%の割合)
乗車人数:二人乗車>一人乗車>3~4人乗車(70%:25%:5%の割合)
通勤利用:無し
駐車環境:自走式立体駐車場(屋根付きと屋根無しの2台)
体格  :身長170cm・痩せ型の私が最も大柄な体格
車載機器:ナビやオーディオなどの車載機器には特別強い拘りは無い
※1日の走行距離が1,000kmを超える事もあります

■クルマに求めるもの(優先順位毎)※一部CX-3購入時に限定する内容を含みます
1:純粋に趣味として保有するので、とにかく美しい曲線と唯一無二の個性を持つ、所有欲を満たすエクステリアであること
2:機能性を犠牲にしてでもデザインが優先されていて生活感を感じさせず、その上で外観との調和が取れた内装であること
3:過度なパワーと出力特性は必要無いが、高速道路での快適なクルージングを無理無くこなせるパワーとトルクを持つこと
4:最低片道500km程度のドライブは無理無くこなせる乗り心地であること
5:将来的に嫁がメインドライバーとなる筈なので、安心して運転出来るサイズと運転支援装備を備えていること
6:運転していて違和感を感じないドライブフィールであること
7:故障時も含め、維持費が経済的である事
8:将来犬を飼いたいので、最低2+αな空間がある事

以下項目別の評価(5段階)です。

CX-3納車記念ツアー1日目13

■エクステリア ★★★★★

クルマに求めるものに書いた通り、エクステリアデザインは最も重視したポイントです。
購入を決めるまでFIAT500等の個性的なデザインを持つ輸入車を候補に挙げていましたが、CX-3が登場し、その「デミオより長く幅広になった寸法を全てデザインの為に使いました」と言わんばかりの、マーケットインでクルマを企画・製造するメーカーには決して真似出来ない、何とも贅沢な開発思想に先ず興味を持ちました。

そして実際に現物とリアルに対面してみると・・・本体価格230万円台から買えるコンパクトカー+αな寸法の量産車とは思えない、完璧と言っても言い程の素晴らしいエクステリア!
国産車は勿論、海外を含めても、この価格・寸法の量産車でこれ程レベルの高い美しい線を持つクルマは数少ないと思います。
実際、世界的に権威のあるプロダクトデザイン賞であるレッドドットデザイン賞を受賞し、国際的にも高く評価されています。

まるでスポーツカーの様なロングノーズ・ショートデッキなスタイルからは、シャープさやソリッドさを感じながらも全体からはとても上品な雰囲気を感じるし、プレスラインの数が必要最低限にそぎ落とされ、面と陰影で魅せるデザインとしている辺りに、シンプルさの中に美しさが存在する日本の様式美を感じます。
細部の造形も、デザイナーが『人間で例えるなら、「美人」というよりは「8頭身」のように、遠くから見ても一目で分かる、モノが持つ本質的な魅力を磨き上げることに妥協なく取り組んでディテールに落とし込んだ』と語る通り、非常に隙の無い造りです。

色は駐車環境が屋根無しと言う事もあり、退色を懸念して若干妥協した面もありつつセラミックメタリックを選択しましたが、このクルマの為に開発されただけあって、光の当たり具合でこのクルマのデザインをより陰影に富んだ物に見せてくれて、非常に満足度が高いカラーです。
特別価格の設定が無い事も影響しているとは思いますが、他社のカラー設定にまで影響を与えたソウルレッドを押さえ一番人気の色となっている事も頷けますね。

コスト的に制約のある量産車では、通常製造工程の設備や掛ける事が出来るコストの制約で、確定したデザインからどんどん妥協という名の劣化が入って完成に至りますが、このクルマの場合、確定したデザインを実現するためにはどうすれば良いか?と製造現場も一体となって努力と工夫を重ねた結果、これだけの素晴らしいエクステリアを纏ったクルマが産まれたんですよね。

趣味としてクルマを所有する我が家にとって、このエクステリアデザインひとつを取っても、買う動機付けとしては十分でした。
それ程のエクステリアを産み出した開発陣の努力と工夫に拍手です!

■インテリア・車内装備 ★★★★

エクステリア程インパクトは大きくありませんが、価格帯相応な素材が適切に使われており、また、色の使い方もデミオとの差別化が図られて大人な車内空間となっており、デザイン・質感・各種ボタンやレバーの操作感とも満足感が高いです。
空間の創りとしてはマツダ車の伝統にならって、ドライバビリティを考慮しエアコン等アナログ式の操作系となっていますし、視線移動を最小限とする様配慮されたドアミラーとHUDの設置位置など、飽くまでドライバーが中心だと分かる室内空間となっていて好感が持てます。

メインターゲットである欧米人の体格に合わせたと思われるカップホルダーの位置がマイナスポイントですが、収納など機能性を犠牲にしてでもデザインが優先されているため生活感を感じさせず、その上で外観との調和が取れた内装となっており、満足しています。

シートの出来も、ここ10年ずっとレカロに座り続けていますが純正でも特に支障が無く、1日500km超を移動しても平気でした。
大きさ的にも私の体格で過不足無く丁度良い感じです。

巷では国産に変わっても散々な評価のマツコネナビですが、ロードスターで使用している楽ナビ(5年落ちですが、機能的には全然充足しています)と比較してもルート案内の精度、GPSのロスト率、機能面で特段劣る点は無く満足しています。
機能的には、NAVICON経由や音声認識での目的地設定やHUDへのルート案内表示が非常に使えますし、何よりコマンダーで全ての操作が行える点が非常に評価出来ます。
そういった点や車外品で4万強で同等品は買えない事を踏まえると、むしろ結構頑張っているのでは?と思います。
とは言え、渋滞考慮リルートが出来なかったりなど、市販ナビでは当たり前に備えている機能が使えなかったりもしますので、売りっ放しでは無く、有償であっても可能な限りバージョンアップ等で対応して貰いたいと思います。

マツコネ本体に関しては、従来ディーラーへ持ち込まなければ設定出来なかった項目(アドバンスドキーの設定)などが自分の手で行えたりする点は魅力的ですが、強い拘りが無い私としてもオーディオの設定項目が弱過ぎると感じる事と、現状では解消していますがOSの安定性に難がある事がマイナスポイントです。(詳細は故障経験に記載しています)
特にオーディオの設定項目に関してはソフトウェアの更新で解決可能な筈ですので、是非とも対応して貰いたいです。

■エンジン性能 ★★★★★

車重に対してトルクがあり、しかも低回転から最大トルクを発揮するディーゼルエンジンですが、排ガス規制の制約で立ち上がりのレスポンスが意図的に抑えられている様でアクセル操作に対して過敏に反応しないため、細かいペダルワークが苦手な嫁でも問題無く扱えて好印象です。
かと言って常用域全般でモッサリ加速なのかと言うとそう言う訳ではなく、(全開/全閉の様な)スイッチ的なラフなアクセルワークさえしなければ、十分に流れをリード出来る必要十分な加速が必要な時に必要なだけ得られます。

このエンジンの最大の見せ場と言えば、やはり高速道路でのクルージングでしょう。
NCロードスターで6速90~100km巡航で同じ路線を走った際に、トルク不足でエンジンが息苦しそうな音を発する上り坂の場面でも、CX-3のSKYACTIV-Dだとエンジン音には殆ど変化が無くスイスイ登ってくれます。
パワー的にも高速を殆ど法定速度で巡航する我が家の運転スタイルでは100馬力もあれば必要充分なので、このエンジンの出力特性にはかなり満足しています。

■走行性能 ★★★★

SKYACTIVシャシーで理想的なドライビングポジションを実現するためコンポーネントの配置が最適化されたお陰で、CX-3でも理想的なドライビングポジションが得られます。
フロントミッドシップを実現するために大いにペダルレイアウトが犠牲になっているRX-8とロードスターを乗り継いでいる身には、自然と右足を伸ばした位置にアクセルペダルがある事がこんなに楽なんだ♪と感じた次第です(笑)

ブレーキフィールに関しては今時のクルマとしてはかなり自然だと思いますが、パッド・ブースターどちらの特性か分かりませんが、多少初期制動がシビアで、スムーズに止まるためには踏力のコントロールに気を使う点がマイナスポイントです。

ステアフィールに関しては、私個人としてはもう少し重めが好みなんですが、嫁が運転する事を考えると適切だと感じています。
ロードスターと二台持ちと言う事もあり、初めの頃は操舵に対する応答が遅いと感じていましたが、乗っているうちにすっかり慣れました(笑)
今では、この程度の大人しいフィールの方が、このクルマのキャラに合っていると感じています。
インフォメーションも過不足無くあるので、(まだ走っていませんが)雪道でも怖くないのではと感じています。

ロールに関しては、一般道やワインディングを常識的な範囲で走る分には特に問題ありませんが、ペースを上げると、やはり重心が高いクルマなんだなと感じます。
スポーツ走行での評価となると、私の場合、どうしてもロードスターとの比較になってしまいますので厳しくなりますが、そう言った走り方をさせる用途には考えていないので、全く問題にはなりません^^;

■乗り心地・遮音性 ★★★★

舗装に問題が無い一般道や高速を法定速度で巡航している時は全く問題ありません。
ロードスターと違い凹凸を乗り越えた時にスカットルシェイクが起こる事なんて当然ありませんし、硬さを感じるものの、ボディ剛性が高いお陰で衝撃を一発で収束させるので、フニャフニャな足回りだと酔ってしまう我が家にとっては適度な乗り心地です。

ただし、舗装が荒れていたり、路面にうねりがある場合では後輪がやや落ち着きが無く感じられ、許容出来る範囲ではありますが、乗り心地が損なわれている印象があります。
同じ道をロードスターで走ってもCX-3ほど乗り心地が損なわれる事が無いので、トーションビームな足回りに問題があると考えています。

走行中の騒音に関しては、発進加速時(特にエンジンが冷えている状態)では明確にディーゼルと分かる音がしますが、一旦巡航速度に乗ってしまえばガソリンエンジンと比較してエンジン回転数が低い事もあり、ディーゼルエンジンである事を忘れてしまう程静かです。
キャビン自体の遮音性についても、アメリカ(ガソリン車の70マイル巡航時)での比較を見る限り、一般的に競合すると言われる車種と比較しても優れていますし、レクサスの某車種と比較しても0.8dB程度しか劣っていません。
70マイル巡航時のエンジン回転数は、ガソリンと比べディーゼルの方が500回転以上低いですので、その点と価格を含めて考えると、結構遮音性に優れていると思います。

■燃費・維持費 ★★★★★

納車から現在まで、概ね市街地:2、郊外の一般道:5、高速:3の割合で走り、平均燃費が20.1kmです。
内訳(いずれもマツコネの平均燃費で確認)
市街地:17km/L前後
郊外の一般道:24km/L前後
高速:26km/L前後(80km巡航時)、23km/L前後(90km巡航時)、20km/L前後(100km巡航時)
市街地燃費でもカタログ燃費との乖離も少ないですし、郊外ではカタログ以上の燃費で走れますので、大変満足しています。

メンテナンス費用に関しては、私が購入したディーラーではSKYACTIV-D専用オイルは、3回利用のチケットを購入で1回当たり工賃込みで3,000円強でオイル交換が可能ですし、水抜きやインジェクション調整に関しても、ディーラーで定期点検を受ければ点検費用内で対応して貰えるので、ガソリン車と比較しても特に維持費が高い事も無く、一般的な国産1.5L車とほぼ同等のランニングコストで維持出来ます。

■積載性 ★★★★★

後部座席に関しては使用頻度が低いですが、嫁や私と同じ位の身長の友人を後部座席に乗せて片道150km程度のドライブをした事がありますが、全く不満は聞かれませんでした。
後部座席の利用頻度が非常に低い我が家としては、必要十分なスペースだと感じています。

ラゲッジルームに関しては、ロードスターで夫婦二人7泊の旅をこなしてしまう程、積載性は気にしないので、CX-3は大容量過ぎだと感じてしまう位です。
ロードスターでは30kgの米袋が一つしかトランクに入らないんですが、CX-3だと楽々4袋入り感動してしまいました(笑)

■故障経験

OSバージョンが51の時点で、マツコネナビの使用中に描画がバグったり、地図が表示されなかったり、USBでの音楽再生中に音飛びが発生したりしました。
その後、OSバージョンを56にアップデートしましたが、その後はいずれの症状も発生せず、安定稼動しています。
※USBでの音楽再生はUSBメモリとの相性がある様で、数種類試した結果、安定して再生出来る製品に辿り着きました。

その他、エンジン、駆動系、電装系など、些細な物を含め、全く故障は発生していません。

■価格 ★★★★

世間ではデミオベースなのに高過ぎ!なんて言われていますが・・・
1.デミオより伸びた長さ・幅を最大限に活用した、世界が評価したエクステリア
2.デミオをベースに、より上質な素材を使用して差別化を図ったインテリア
3.基本骨格はデミオと同じものの、車格に応じた補強が随所に入り大幅に手が加えられたボディ
4.アクセラをベースとして、独自開発した前後ダンパー
5.XD-T以上はLEDライト標準装備(購入当時、HI/LOW共LEDは同じクラスで該当車種無し)
6.レーダークルーズを初め、現在市場に出回っている全ての安全装備が装着可能(購入当時、同じクラスで該当車種無し)
7.前後ディスクブレーキ、18インチホイール(デミオは後ろがドラム、16インチ)

知っている限りで挙げてみても、これだけの差があり、実際に乗り比べてみても差を実感出来るんですよね。
あと、輸入車を含め比較しても、同一クラスの他車種では同等価格では装着出来ない装備がある点もポイントが高く、価格にはほぼ満足しています。

CX-3納車記念ツアー2日目37

■総評 ★★★★★

評価をご覧になってお分かりかと思いますが、CX-3は夫婦+αな家族構成で、クルマに対して空間効率や積載性を求める人、ジュークNisomoみたいなスポーツカー顔負けのエンジン性能を求める人には全くベクトルが合わず、エクステリア以外、ほぼ全ての項目において最低の評価しか与える事が出来ないクルマでしょう。

また、エンジン音に関しても、我が家の様にディーゼルエンジンに慣れ親しんでいて、発する音質の違いは個性の一つと受け入れられる様な方には、充分許容出来る音量だと思いますが、某元知事の発言やマスゴミの報道に洗脳されてしまい、ガソリンエンジン>ディーゼルエンジンと言うヒエラルキーが明確に出来上がってしまっている方にとっては、例え僅かながらであっても、ディーゼル特有の音が聞こえるだけで、このクルマに対して拒否反応を示してしまうかも知れません。

但し、我が家の様にクルマに対して
空間効率や積載性は特に求めていない
スポーツ走行は別のクルマで愉しむとか、そもそも飛ばして走らない等の理由で過度なエンジン性能を求めない
ディーゼルエンジンに対してアレルギー反応が無い
上記3点が当てはまる方にとっては、所有欲を満たしてくれる抜群のエクステリア、非日常感を演出してくれるインテリア、経済性と適度な動力性能を両立したディーゼルエンジン、同クラスの他車種には無い充実した安全装備と、この価格帯でこれほど魅力的なクルマは他に見当たらないでしょう。

我が家の場合ですと(XD Touring FF+セーフティクルーズパッケージ )、諸費用込みで300万オーバーの買い物となりましたが、多少のネガはあるものの、価格以上の価値を感じる非常に満足出来るクルマです。

半年乗ってみて、この先このクルマとは飽きる事無く長く付き合って行けると実感しました。