CX-3 2年乗ってみての評価

CX-3との日々
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初期型CX-3を2年乗ったオーナー目線での客観的な評価

改めて評価記事をアップした理由

2015年6月にCX-3が納車されてから約2年が経過しました。

以前、納車半年経過時点で自分なりの評価を残したのですが、あれから更にこのクルマと過ごす時間と走行距離を重ね、よりオーナー目線で評価出来る部分が見えて来たかと思うので、再度自分なりの評価を残したいと思います。

今回評価を残す上で、(累積アクセス数をカウントしていないので明確な数は把握出来ていませんが)以前残した評価へのアクセスがかなりあり、次期愛車選びの参考に読まれている方も相当数いるのでは?と思う事から、これからクルマ選びをする方の視点でもCX-3の評価をしてみたいと思います。

クルマを利用する上での家族環境や利用形態など

以前の評価でも書きましたが、評価の前に、我が家がどういった基準でこのクルマを選んだかを理解して頂く為に、家庭環境や利用形態、クルマに求める方向性などを示しておきたいと思います。
※状況の変化により、以前の評価時点と多少記載内容が異なっています

家族構成:嫁と2人暮らし
所有台数:NCロードスターと合わせ2台
利用形態:NCロードスター→オープンドライブ・スポーツ走行を楽しみたい時
     CX-3→真夏・真冬(雪道)にロングドライブする時
     ※位置付けとしては、セカンドカー用途を想定
年間走行:2台合わせて20,000km程度を想定
用途  :日帰りドライブ>1泊以上での長距離ドライブ※>買い物
     (50%:40%:10%の割合)
     ※1日の走行距離が1,000kmを超えるドライブをする事もあります
乗車人数:2人乗車>1人乗車>3~4人乗車(70%:25%:5%の割合)
通勤利用:無し
駐車環境:自走式立体駐車場(屋根付きと屋根無しの2台)
体格  :身長170cm・痩せ型の私が最も大柄な体格
車載機器:ナビやオーディオなどの車載機器には特別強い拘りは無い

クルマに求めるもの(優先順位で記載) ※一部CX-3購入時に限定する内容を含みます

1:純粋に趣味として保有する事もあり、機能性よりも造形美を重視するので、とにかく何年乗り続けても所有欲を満たしてくれるエクステリアであること
2:クルマには非日常生活な空間を求めており、多少機能性を犠牲にしてでもデザインが優先されていて生活感を感じさせず、その上で外観との調和が取れたインテリアであること。また、積載性よりも最適な運転環境(ドラポジなど)を重視した室内空間となっていること
3:過度なパワーや出力特性は必要無いが、高速道路での快適なクルージングを無理無くこなせるパワーとトルクを持つこと
4:最低片道500km程度のドライブは無理無くこなせる乗り心地であること
5:将来的に嫁がメインドライバーとなる筈なので、安心して運転出来るサイズと運転支援装備を備えていること
6:運転していて違和感を感じないドライブフィールであること
7:故障時も含め、維持費が経済的である事
8:将来犬を飼いたいので、最低2+αな空間がある事

【エクステリアのオーナー目線での評価】 ★★★★★ ※前回と変わらず

クルマに求めるものに書いた通り、エクステリアは最も重視したポイントです。
前回の評価でも、マーケットインでクルマを企画・製造するメーカーには決して真似出来ない何とも贅沢な開発思想と、コンパクトなのに存在感の高いエクステリアについて、ほぼ手放しで高い評価を残しましたが、あれから1年半経った現在でもその評価には変わりありません。

まるでスポーツカーの様なロングノーズ・ショートデッキなスタイルからは、古典的である意味オーソドックスな格好良さを感じながらも、何処となく現代的な美的感覚や上品な雰囲気を感じますし、プレスラインの数が必要最低限にそぎ落とされ、面と陰影で魅せる「引き算のデザイン」としている辺りに、シンプルさの中に美しさを見出す日本の様式美を感じます。

細部の造形も、デザイナーが『人間で例えるなら、「美人」というよりは「8頭身」のように、遠くから見ても一目で分かる、モノが持つ本質的な魅力を磨き上げることに妥協なく取り組んでディテールに落とし込んだ』と語る通り、非常に隙の無い造りです。

趣味としてクルマを所有する我が家にとって、このエクステリアデザインひとつを取っても、買う動機付けとしては十分でした。
購入から約2年経った今でも、ガレージで愛車と対面した際にワクワクし惚れ惚れするエクステリアを産み出した、開発陣の努力と工夫に拍手です!

今現在少しだけ後悔している点として、購入当初は駐車環境が屋根無し前提だったので、退色を懸念してセラミックメタリックを選択したのですが、二人揃って第一希望がソウルレッドだった事と、今現在は屋根有りな駐車環境になった事もあり、初志貫徹すれば良かったと少し後悔しています。。。
とは言いつつも、今更全塗装する根性もありませんし(笑)
セラミックメタリックと言う色そのものに関しては、このクルマの為に開発されただけあって、光の当たり具合でこのクルマのデザインをより陰影に富んだ物に見せてくれて、非常に満足度を感じているので、今後もこの色を愛していこうと思います^^

【エクステリアの客観的な評価】
デザインを重視する方への評価 ★★★★★
エクステリア優先でクルマ選びが出来て、昨今のマツダデザインが気に入っている方には、このクルマの一番のセールスポイントでもありますので、この車を選べばきっと満足度の高いカーライフが送れると思います。

機能性を重視する(エクステリアに拘らない)方への評価 ★★
デザインよりも前後左右の視認性を重視される方にとっては、この車はエクステリアを重視した結果、特に後方の視認性が犠牲になっているため、余りお勧め出来ません。
また、このクルマを正面から観察して頂くと特に理解出来ると思いますが、ショートデッキなディテールを実現するために、全幅に対してかなりキャビンスペースを絞り込んだデザインになっており、その事がCX-3の造形美を引き立たせている反面、室内空間を犠牲にしている要因にもなっており、機能性=空間効率を求める方にはお勧め出来ないポイントでもあります。

【インテリア・車載装備のオーナー目線での評価】 ★★★★ ※前回と変わらず

インテリア全体の印象について
世間ではインテリア部品を共通開発したデミオの余りの高いコストパフォーマンス振りに、「デミオと同じやん!!」と批判的な評価が多いCX-3のインテリアですが、過去にデミオを一日試乗を含め何度も乗った経験を踏まえると、素材や操作系の質感、内装色の使い方など細かい部分でデミオとの差別化が図られより上質な車内空間となっており、デミオ比で数十万高いクルマとして見ても、質感の満足度は高いと感じています。

シートについて
シートの出来に関しては、今現在においても純正で特に支障が無いと感じており、1日に500km程度の移動を何度かしていますが、ロードスターのレカロシートと比較しても、明確に劣っている印象はありません。
大きさ的にも私の体格で過不足無く丁度良い感じです。

マツダコネクト(通称マツコネ)について
過去の評価でOSバージョンが51の時点で、マツコネナビの使用中に描画がバグったり、地図が表示されなかったり、USBでの音楽再生中に音飛びが発生した事を指摘しましたが、その後、OSバージョンを56、59と2回アップデートしましたが、いずれのバージョンでも症状が再発しておらず安定稼動しています。

マツコネナビに関しては約2年利用している中で、(我が家がナビの機能に関して余り多くを求めていない点も多分にありますが)マイナスポイントとなる問題・動作は起きていません。
機能的には、いまだに渋滞考慮リルートが出来なかったりなど、普及価格の市販ナビですら当たり前に備えている機能が使えないマイナスポイントがあるものの、ナビコンや音声認識での目的地設定や、HUDへのルート案内表示が非常に使い勝手が良いですし、何よりコマンダーで全ての操作が行える点は評価出来ます。
そう言った点を踏まえると、導入に必要な初期コストや、細かなバージョンアップによって機能改善が続けられている点を含め、充分に満足出来る品質だと感じています。

各種運転支援装置について
私のCX-3はXDツーリングにセーフティーパッケージを付けたモデルですので、以下の装備が付いています。
以下、装備別に2年間使ってみた評価を記載します。

・MRCC(マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール)
 車間距離を維持する機能が付いた、クルーズコントロールシステム。
 (初期型なので)追い金してでも付けておいて本当に良かったと思った一番の装備がこれ。
 ロードスターにも後付けのクルーズコントロールを装着しており、長距離ドライブでの負担軽減に大変重宝しているのですが、MRCCはロードスターの物とは違い、車間距離の制御まで自動で行ってくれるので、長距離ドライブでの負担軽減効果は絶大なものがあります。
 車間距離の制御自体も、速度差がある車両に割り込まれたりしない限りは唐突にブレーキが掛かる事も無いので、使用していて違和感を感じるシーンが少なく優秀だと思います。

・BSM(ブラインド・スポット・モニタリング)
 左右レーンの後方に車がいる時に、ミラーが光ってそこに車が居る事を示し、更にウインカーを出すと警告音を出してくれるシステム。
 運転が未熟な嫁のためのアシスト装備程度の位置付けに思っていたのですが、私自身も夜間の運転でこの機能に何度か助けられた事があり、特に夜間での疲労軽減に効果を感じています。

・RCTA(リア・クロス・トラフィック・アラート)
 運転が未熟な嫁のためのアシスト装備程度の位置付けに思っていた機能その2(笑)
 最終的には目視での確認が必須ではありますが、デザイン優先で多少死角が多めなCX-3にとっては、意外に重宝する機能だと思います。

・AFS(アダプティブ・フロントライティング・システム)
 ステアリング操作に連動してヘッドライトをステアリングを切った方向に照らすシステム。
 長距離ドライブした際にド田舎の真っ暗な山道を走った事があったのですが、この機能が無い車と比較して視界が確保されている事を実感でき、意外に役に立つ事を実感しました。

・HBC(ハイ・ビーム・コントロール)
 センサーが周りの照度を判断して、自動でハイビームのON/OFFを切り替えるシステム。
 市街地や都市高速では全くその恩恵を感じませんが、地方の一般道や高速などの道路上の照明が少ない道では、結構適切に切り替えが行われるので、AFSと同じく意外と役に立つ事を実感しました。
 現行のCX-3ではこれに加えALH(アダプティブ・LED・ヘッドライト)も付いているので、より夜間運転時の安全向上と疲労軽減に役立つのでは無いかと思います。

・LDWS(車線逸脱警報システム)
 車線から逸脱しそうになると、警告音を出してくれるシステム。
 アテンザやCX-5にはステアリング操作もアシストしてくれるので重宝するシーンもありそうですが、CX-3は警告音のみで、更に警告音を出す基準判定が若干シビアな感もあるので、個人的には微妙に感じています。

・SCBS/SBS(スマート・シティ・ブレーキ・サポート/スマート・ブレーキ・サポート)
 マツダ版アイサイトと言える自動ブレーキシステム。
 一般道で試すのは危険なので試した事はありませんし、実際に機能する場面にも遭遇していませんが、公的機関で高評価を得ていたので、万が一の場面でも被害軽減に役立ってくれるであろうと思います。
 また、現行のCX-3では人への検知も可能になったので、更に安全性向上と被害軽減に役立ってくれると思います。

必要と感じていた運転支援装置は全て装着でき、その機能についても予想以上に快適かつ安全なドライブに役立ってくれており、非常に満足度が高いです。

満点としなかった理由について

4点として理由については、細かい部分でコストカットを感じる部分があり、マイナスとしました。
・フロントシートのレバー(リフター・リクライニング)の品質が悪く、操作の質感が低い。
 特にリクライニングについては、この角度で固定したいと思ってもレバーが固定し辛く、無理矢理固定位置にレバーを移動させようとすると壊れないかと感じる時があります。。。
・リアシートの固定金具の品質が悪いのか?、かなり力を入れて嵌め込まないと固定出来ない時がある。
フロントシートに関しては、2016年のマイナーチェンジで一部グレードにパワーシートが導入されたので、これからCX-3を購入される方は、パワーシート導入グレードを選択すれば、フロントシートに対する指摘部分は、電動で行えるため問題が解消されると思います。

【インテリア・車載装備の客観的な評価】
ナビやオーディオに拘りが無い方への評価 ★★★★
マイナス評価とした部分が気にならなければ、この価格帯のクルマとしては相応の質感を備えており、色使いも上品なので、落ち着いた大人なインテリアを求める方にはお勧めです。
 また、車載装備に関しては、現在装備可能なほぼ全ての運転支援装備が選択可能で、機能的にも客観的に高い評価を受けているので、これらの装備を優先する方にもお勧め出来ますし、安価な料金でそれなりに使えるナビが用意出来る点も、コスト的メリットに感じるのではと思います。

ナビやオーディオに拘る方への評価 ★
 どのグレードを選択しても、ナビはマツコネナビしか選択出来ない、また、オーディオに関しても標準以外の選択肢はBOSEしか無く、機能的・性能的にも拘りがある方の要求に応えるレベルには至っていないため、純正であってもこれらの機能・性能を重視する、又はアフターマーケットの多彩な組み合わせの中から、より自分の好みに合ったナビやオーディオを選びたいと考える方にとっては、この車を含め現行のマツダ車は、妥協して購入しても後々必ず後悔して楽しくないカーライフを過ごす事になりますので、選択肢とすべきでは無いと思います。

【エンジン性能のオーナー目線での評価】 ★★★★★ ※前回と変わらず

全般的なエンジン性能の評価について
車重に対してトルクがあり、しかも低回転から最大トルクを発揮するディーゼルエンジンの特性通り、我が家が重視していた高速道路でのクルージングでは、購入前の予想をワンランク上回る快適なドライブが楽しめ、非常に満足しています。

アクセルレスポンスについて
リコールに伴う制御プログラムのリプログラミングを受けましたが、それでも排ガス規制の制約で立ち上がりのレスポンスが意図的に抑えられている様で、アクセル操作に対して若干タイムラグを感じます。
ただ、発進時に(全開/全閉の様な)スイッチ的なラフなアクセルワークさえしなければ、十分に流れをリード出来る必要十分な加速が、必要な時に必要なだけ得られますので、ドライバビティを損なうレベルには感じていません。

静粛性について
静粛性の面においても、現行のナチュラル・サウンド・スムーザーやDE精密過給制御を装備していない我が家の初期型CX-3でも、冷間時の市街地走行以外ではディーゼルエンジンである事を殆ど意識するシーンはありませんので、総合的にエンジン性能を評価すると、我が家の使い方においてはメリットの方が圧倒的に上回っており、非常に満足しています。

エンジンに関連するリコールについて
リコールに関連するネットで報告されている不具合については、我が家のCX-3では発生しておらず、定期点検時のDPF再生間隔の平均値(259km)を見る限りにおいても、不具合の兆候(DPF再生間隔が短い)が見られないため、我が家の乗り方においてはディーゼルエンジンの選択はマッチしている様です。

【エンジン性能の客観的な評価】
長距離ドライブ主体、かつ絶対的なパワーを重視しない方への評価 ★★★★★
ディーゼルエンジンがそのメリットを最大限に活かせるシーンは、一定速度での長距離ドライブにありますので、そう言ったシーンでの利用をメインにこの車を愛車候補に考えている方にとっては、馬力は同排気量の自然吸気なガソリン車と同等のため、高速域での加速力は大した事がありませんが、一発免停になる様な速度でぶっ飛ばす様な方では無い限り、アップダウンがある道路(高速)でも全く苦にしないトルク性能と殆ど変化しない静粛性に、きっと満足されると思います。

市街地走行メイン、又は絶対的なパワーを重視する方への評価 ★★
市街地走行をメインとした車選びでこの車を愛車候補に考えている方にとっては、ディーゼルエンジンの中では静粛性の高いSKYACTIV-Dであっても、やはり市街地走行においてはガソリン車の静粛性に及ばず、ディーゼルエンジンである事を明確に感じるシーンが多く、快適性の面においてディーゼルエンジンの音質が好きな方を除いては不快に感じる場面の方が圧倒的に多くお勧め出来ません。
燃費(ランニングコスト)面においても、市街地走行が多い場合はどうしても一回の走行が短距離かつストップ&ゴーが多くなるため、ガソリンエンジンと比べ始動時からエンジンにとって適切な水温に至るまで時間が掛かるディーゼルエンジンでは、どうしてもエンジンにとって非効率な状況で運転する場面が多くなりますし、その事が影響してDPFの再生間隔も増える事から、平均燃費が悪くなり結果としてランニングコストが悪くなってしまいます。
また、高速域での加速力や最高速と言った絶対的なエンジンパワーを求める方にとっても、「加速感」は感じられるものの、数値上での絶対的な加速性能が低いディーゼルエンジンはお勧め出来ません。
これらを重視する方は、例えば同じボディ形状・価格帯で比較されるであろうジュークNismoやヴェゼルRSを選ばれた方が、満足感の高いカーライフが送れるのではと思います。

【走行性能のオーナー目線での評価】 ★★★★ ※前回と変わらず

全般的に前回の評価から変わりありません。

ブレーキ性能について
ブレーキフィールに関しては今時のクルマとしてはかなり自然でコントロールし易いため、RX-8→ロードスターと所謂スポーツカーに乗り慣れた私でも、制動力を含め満足しています。
ただ、パッド・ブースターどちらの特性か分かりませんが、多少初期制動がシビアで、スムーズに止まるためには踏力のコントロールに気を使う点は、マイナスポイントに感じています。

ステアフィール/ハンドリングについて
ステアフィールに関しては、私個人としてはロードスターが基準になってしまうため、もう少し重めが好みなのですが、ロードスターと比べ女性比率が多いモデルである事を考えると、これ位の重さが適切かと感じています。
ハンドリングに関しては、ロードスターと二台持ちと言う事もあり、初めの頃は操舵に対する応答が遅いと感じていましたが、乗っているうちにすっかり慣れました(笑)
今では、この程度の若干大人しいフィールの方が、このクルマのキャラに合っていると感じています。
インフォメーションも過不足無くあるので、(まだ走っていませんが)雪道でも怖くないのではと感じています。

ロールについて
一般道やワインディングを常識的な範囲で走る分には特に問題ありませんが、それなりにペースを上げると、やはり重心が高いクルマなんだなと感じます。
スポーツ走行的な評価となると、私の場合、どうしてもロードスターとの比較になってしまいますので厳しくなりますが、そう言った走り方をさせる用途には考えていないので、全く問題にはなりません^^;

あと、フロントに重いディーゼルエンジンを搭載している事もあり、FFモデルな私のCX-3だと、特にワインディングを法定速度を維持して走っていると、明確に鼻先が重く感じます。
ただ、その事が原因で全然自分のイメージ通りに曲がらない訳でも無く、適切に荷重移動させてあげれば、車高が高めな車とは思えない程、気持ち良くコーナーを駆け抜けて行く事が出来ます。

【走行性能の客観的な評価】
SUVライクな車でも比較的曲がる・止まるを重視する方への評価 ★★★★
他のマツダ車同様に走行性能・各部の操作感についてしっかり作り込んでおり、実用車の枠で捉えれば、充分な走行性能を持っており、クルマを操る喜びを感じる事が出来ると思います。

スポーツカーと遜色無い走行性能を求める方への評価 ★★
所謂スポーツカーからの乗換えで、そう言ったクルマと遜色無いハンドリングやブレーキ性能を求められるのであれば、重心高の高さや、鼻先の重さから感じるアンダーステアに違和感や不満を感じるのでは?と思いますので、マツダ車であれば、車高が低いアクセラやデミオ等を検討された方が良いかも知れません。

【乗り心地・遮音性のオーナー目線での評価】 ★★★ ※前回よりマイナス評価

サスペンション性能について
舗装に問題が無い一般道や高速を法定速度で巡航している時は全く問題ありません。
ロードスターと違い凹凸を乗り越えた時にスカットルシェイクが起こる事なんて当然ありませんし、硬さを感じるものの、ボディ剛性が高いお陰で衝撃を一発で収束させるので、フニャフニャな足回りだと酔ってしまう我が家にとっては適度な乗り心地です。

ただし、走行性能を重視した事による弊害か?舗装が荒れていたり、路面にうねりがある場合では特に後輪がやや落ち着きが無く感じられ、許容出来る範囲ではありますが、乗り心地が損なわれている印象があります。
同じ道をロードスターで走ってもCX-3ほど乗り心地が損なわれる事が無いので、トーションビームな足回りに問題があると考えています。

また、ロードスターと併用している事がマイナスに作用していると思われるのですが、車高が高く重量が重い事が災いして、うねりや凹凸が続く道を走っていると、ロードスターと比べキャビンの上下動が収まるのに時間が掛かり、これも許容出来る範囲ではありますが乗り心地が損なわれている印象があります。

これらサスペンションに起因するネガティブな印象は、マイナーチェンジにおいてかなり解消された様ですが、これまで乗って来た車が何かによって大きく評価が分かれると思いますので、真剣に購入を検討されるのであれば、是非1日試乗して様々な路面状況・速度域で評価される事をお勧めします。

遮音性能について
走行中の騒音に関しては、発進加速時(特にエンジンが冷えている状態)では明確にディーゼルと分かる音がキャビンまで届きますが、一旦巡航速度に乗ってしまえばガソリンエンジンと比較してエンジン回転数が低い事もあり、ディーゼルエンジンである事を忘れてしまう程静かです。
キャビン自体の遮音性についても、アメリカ(ガソリン車の70マイル巡航時)での比較を見る限り、一般的に競合すると言われる車種と比較しても優れていますし、レクサスの某車種と比較しても0.8dB程度しか劣っていません。
70マイル巡航時のエンジン回転数は、ガソリンと比べディーゼルの方が500回転以上低いですので、その点と価格を含めて考えると、結構遮音性に優れていると思います。

マイナーチェンジにおいてフロントガラスの厚みが見直され、より遮音性能が高められた様ですので、現行モデルであれば、我が家の初期型より更に快適になっているのではと思います。

【乗り心地・遮音性の客観的な評価】
多少乗り心地を犠牲にしてでも、走行性能を重視した足回りが良い方への評価 ★★★★
SUVライクなクルマと言えども、それなりにはキビキビ走りたい、また、比較的足回りがしっかりしたクルマを乗り継いで来たので、柔らか過ぎる足回りでは酔ってしまうかも!?との懸念を持たれる方にとっては、比較的適切な足回りと感じられるのでは無いかと思います。

乗り心地重視な方への評価 ★★
国内外の高級車を乗り継がれてきた方や、国産でも足回りが柔らかい車種を乗り継がれて来た方にとっては、走行性能を重視するマツダ車のサスペンションセッティングに対しては「乗り心地が悪い!」との印象を持たれる可能性が高いのでは無いかと思います。

【燃費・維持費のオーナー目線での評価】 ★★★★★ ※前回と変わらず

燃費性能について
納車から現在まで、概ね市街地:2、郊外の一般道:5、高速:3の割合で走り、平均燃費が20.34km(満タン法)です。

内訳(いずれもマツコネの平均燃費で確認)
市街地:17km/L前後
郊外の一般道:24km/L前後
高速:26km/L前後(80km巡航時)、23km/L前後(90km巡航時)、20km/L前後(100km巡航時)
市街地燃費でもカタログ燃費との乖離も少なく、郊外ではカタログ以上の燃費で走れますし、一回の給油で概ね1,000km近く走れて給油の頻度が少なくて済むため、給油の手間が省けると言った面も含め、大変満足しています。

メンテナンス費用について
メンテナンス費用に関しては、私が購入したディーラーではSKYACTIV-D専用オイルは3回利用のチケット購入で1回当たり工賃込みで3,000円強でオイル交換が可能()です。
また、水抜きやインジェクション調整に関しても、ディーラーで定期点検を受ければ点検費用内で対応して貰えるので、ガソリン車と比較しても特に維持費が高い事はありません。
お住まいの地域のマツダディーラーによって販売条件が異なるため、購入を検討する場合は事前に確認する事をお勧めします。

愛車候補として検討されている方においても、購入するディーラーが我が家と同じ条件でオイル交換可能であれば、定期点検のメニューは全国どのディーラーでも共通ですので、一般的な国産1.5L車とほぼ同等のランニングコストで維持出来ると思います。

【燃費・維持費の客観的な評価】
イニシャルコストが高めでも、毎回の燃料代でガソリン車より安く浮かせたい方への評価 ★★★★
絶対的な燃費ではハイブリッドに劣るものの、燃料単価がレギュラーガソリン比で平均20円程度安い事もあり、郊外かつ一回当たりの走行距離が長い方であれば、ハイブリッドと変わらないレベルで毎回の燃料代を安く浮かせる事が出来る可能性があり、お勧め出来ます。

とにかくトータルコストを安く上げたい方への評価 ★
同じ排気量のガソリン車と比較して、車両価格が30~50万高くなりますし、走行シーン・走らせ方によっては思った程の燃費性能を発揮しない事も考えられ、トータルコストが高くなる可能性があるため、お勧め出来ません。

【積載性・居住性のオーナー目線での評価】 ★★★★★ ※前回と変わらず

積載性について
我が家はメインカーにロードスターを乗っている事もあり、ロードスターで夫婦二人7泊の旅をこなしてしまう程積載性は気にしないので、積載性は重要視していません。
そんな訳で、ロードスターでは30kgの米袋が1つしかトランクに入らないのが、CX-3だとラゲッジルームだけで楽々4袋入る事に激しく感動してしまいました(笑)

マツダ車全般に言える事ですが、デザイン性や走行性能を重視した結果、ラゲッジを含めた積載性・収納スペースについては犠牲にした部分が感じられ、他社の同クラスの車種と比較して必要最低限しか確保されていないモデルが多いです。
そのため、特に国産他社からの乗り換えを検討される方によっては、収納スペースに不足を感じるかも知れません。

居住性について
SKYACTIVシャシーで理想的なドライビングポジションを実現するためコンポーネントの配置が最適化されたお陰で、CX-3でも理想的なドライビングポジションが得られます。
フロントミッドシップを実現するために大いにペダルレイアウトが犠牲になっているRX-8とロードスターを乗り継いでいる身には、自然と右足を伸ばした位置にアクセルペダルがある事がこんなに楽なんだ♪と感じた次第です(笑)

後部座席に関しては使用頻度が低いですが、嫁や私と同じ位の身長の友人を2人後部座席に乗せて、一日500km以上の日帰りドライブをした事がありますが、全く不満は聞かれませんでした。
後部座席の利用頻度が非常に低い我が家としては、必要十分なスペースだと感じています。

【積載性・居住性の客観的な評価】
滅多に多人数乗車しない、それ程積載性を求めていない方への評価 ★★★★★
積載性・後席の居住性が少ない分、抜群のエクステリアデザインと最適なドライビングポジションが確保されており、助手席を含めた前席の快適性は高いため、お勧め出来ると思います。

積載性・居住性を重視する方への評価 ★
上記とは全く逆の理由で、積載性・後席の居住性が犠牲になっている事が災いして、CX-3は愛車候補としては全くお勧め出来ません。
これらを重視する方は、例えば同じボディ形状・価格帯で比較されるであろうヴェゼルを選ばれた方が、満足感の高いカーライフが送れるのではと思います。

【故障経験】

OSバージョンが51の時点で、マツコネナビの使用中に描画がバグったり、地図が表示されなかったり、USBでの音楽再生中に音飛びが発生したりしました。
その後、OSバージョンを56、59とアップデートしましたが、その後はいずれの症状も発生せず、安定稼動しています。
※USBでの音楽再生はUSBメモリとの相性がある様で、数種類試した結果、安定して再生出来る製品に辿り着きました。

その他、エンジン、駆動系、電装系など、些細な物を含め、全く故障は発生していません。

【価格のオーナー目線での評価】 ★★★ ※前回よりマイナス

世間ではデミオベースなのに高過ぎ!なんて言われていますが・・・
1.デミオより伸びた長さ・幅を最大限に活用した、世界が評価したエクステリア
2.デミオをベースに、より上質な素材を使用して差別化を図ったインテリア
3.基本骨格はデミオと同じものの、車格に応じた補強が随所に入り大幅に手が加えられたボディ
4.アクセラをベースとして、独自開発した前後ダンパー
5.XD-T以上はLEDライト標準装備(購入当時、HI/LOW共LEDは同じクラスで該当車種無し)
6.レーダークルーズを初め、現在市場に出回っている全ての安全装備が装着可能(購入当時、同じクラスで該当車種無し)
7.前後ディスクブレーキ、18インチホイール(デミオは後ろがドラム、16インチ)

知っている限りで挙げてみても、これだけの差があり、実際に乗り比べてみても差を実感出来るんですよね。
あと、輸入車を含め比較しても、同一クラスの他車種では同等価格では装着出来ない装備がある点もポイントが高く、購入時点においては価格面においてほぼ満足していました・・・

ただ、その後のマイナーチェンジで、ナチュラル・サウンド・スムーザーやパワーシートが標準装備されたり、価格据え置きで選択可能になったりと、現行モデルでの装備の充実度を見ると、我が家が購入した初期型と比較すると割高に感じてしまいます。。。

【価格の客観的な評価】
クルマは自分の個性の一部で他の方と被りたくないとお考えの方への評価 ★★★
抜群のエクステリアデザイン、かつデミオや他社の同クラスの車種と比べ、街中で見掛ける頻度が少ない事から、満足度の高いカーライフが送れると思います。

デミオディーゼルですら割高に感じる方への評価 ★
基本骨格を共有するデミオと比べ、50万近く高い車両価格に納得感が得られないと思われますので、全くお勧め出来ません。

【オーナー目線での総評】 ★★★★★ ※前回と変わらず

それぞれの評価項目をご覧になって理解されたかと思いますが、CX-3は単身世帯や夫婦+αな家族構成で、かつクルマに対して特に美的観点での趣味性を最重視する方にとっては非常に魅力的に感じる可能性が高いクルマだと思いますが、逆に空間効率や積載性を求める人、又はジュークNisomoやヴェゼルRSみたいなスポーツカー顔負けのエンジン性能を求める人には、全くベクトルが合わず、エクステリア以外、ほぼ全ての項目において最低の評価しか与える事が出来ないクルマでしょう。

また、エンジン音に関しても、我が家の様にディーゼルエンジンに慣れ親しんでいて、発する音質の違いは個性の一つと受け入れられる様な方には、充分許容出来る範囲だと思いますが、過去の社会的経緯からガソリンエンジン>ディーゼルエンジンと言うヒエラルキーが明確に出来上がってしまっている大多数の方にとっては、例え僅かながらであっても、ディーゼル特有のノック音が聞こえるだけで、このクルマに対して拒否反応を示してしまうかも知れません。

但し、我が家の様にクルマに対して
1.空間効率や積載性は特に求めていない
2.スポーツ走行は別のクルマで愉しむとか、そもそも飛ばして走らない等の理由で過度なエンジン性能を求めない
3.ディーゼルエンジンに対してアレルギー反応が無い

上記3点が当てはまる方にとっては、マツダが目指している通り「マーケットの2%の人に熱狂的に支持して貰えればいい」と思える、末永く所有欲を満たしてくれる抜群のエクステリアを備える尖った個性を持つクルマに仕上がっており、その他の面においても、非日常感を演出してくれるインテリア、経済性と適度な動力性能を両立したディーゼルエンジン、同クラスの他車種と比較しても劣らない充実した安全装備と、機能性を無視出来れば、この価格帯でこれほど魅力的なクルマは他に見当たらないのでは無いかと思います。

我が家の場合ですと諸費用込みで300万オーバーの買い物となりましたが(XDツーリングFF+セーフティクルーズパッケージ )、多少のネガはあるものの、価格以上の価値を感じる非常に満足出来るクルマです。
約2年乗ってみて、このクルマとはこれから先も、飽きる事無く長く付き合って行けると実感しました。

【客観的な総評】
デザイン重視の車が欲しい方への評価 ★★★★★
古典的である意味オーソドックスな格好良さを感じながらも、何処となく現代的な美的感覚や上品な雰囲気を感じる佇まいに、きっと末永く満足出来るかと思います。

長距離ドライブが快適に出来るコンパクトなSUVが欲しい方への評価 ★★★★
足回りのセッティングが若干走行性能寄りな点がありますが、その点が満足出来れば、長距離ドライブ性能が高いディーゼルエンジンのメリットを大いに享受出来て、トータル面で満足度の高いカーライフが送れると思います。

積載性・居住性を重視する方への評価 ★
積載性・居住性を犠牲にしてでも造形美を最優先していますので、短時間での試乗では妥協出来ても、実際にオーナーとなり長期的に利用する段階では、同クラスの他モデルと比較して劣る積載性に不満を感じる点が出て来るのでは?と思います。

トータルコストを重視する方への評価 ★★
自然吸気なガソリン車と比較して割高な車体価格を高めに感じる方にとっては、イニシャルコストでは余り差が無いものの、ハイブリッド車と比較して若干高めなメンテナンス費用をデメリットに感じるかも知れません。

 

CX-3開発の意図や特徴などの詳細な情報を得たい方は、こちらの本がお勧めです!

購入後のドレスアップも合わせて検討されたい方は、こちらの本がお勧めです!