ロードスターの足回り交換

ロードスターとの日々
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10万キロ近く走った足回りをNR-A純正ビルシュタインに交換した経緯と交換後の感想

今年で納車から10年を迎える我が家のロードスター。
現在装着している足回り(RS-RHT純正ビルシュタイン+アイバッハPro-Kit)の設計寿命的には、走行距離(9万5千Km)を考えると、もう少し使い続ける事が出来るそう。

ただ、それ程頻度が多くないとは言え、時々サートラで酷使する走らせ方をする事もあったり、最近何となくですが、大きな段差を乗り越えた際の衝撃がダイレクトに伝わっている感があったり、上下動の収まりに時間が掛かって来た様に感じ始めたので、足回りの交換を決意しました。

因みに足回り交換を決意したのは2018年の10月頃。
ようやく交換に辿り着くまでには、予想外に時間が掛かってしまいました。。。

要求事項の明確化

価格やメーカーだけで何となく選んでしまうと「こんな筈じゃなかったのに!」なんて事になってしまうので、まずはリプレース対象の足回りに対する要求事項を明確化しました。

リプレースする足回りへの要求事項

  1. 自宅の駐車環境を踏まえ、車高ダウン量が2cm程度(から調整可能)であること
  2. 純正ビルシュタインと同等の設計寿命を要すること
  3. 今後もドライブ旅行メインの用途は変わらないので、現状からの乗り心地の悪化は最小限に留まること
  4. 今後もサーキットトライアルへの参戦は続けたいので、今までと同等タイムでの走行が可能な性能を有すること
  5. 製品単体価格が概ね20万程度であること

純正品以外であれば、NB・NCロードスター開発主査である貴島孝雄氏が監修した、こちらのサスキットがお勧めです!

リプレース製品の選定

要求事項を書き出す作業を行っていた時点で薄々気付いていましたが、街乗り98%、スポーツ走行2%な走らせ方をする我が家には、社外品にリプレースするメリットは低い事を確認出来ました。

社外品にリプレースするメリットが低い理由

  1. 限界性能を高める製品の特性上、純正ビルシュタインと同等の設計寿命を望めない
  2. 上記と同じ理由で、どうしても乗り心地が犠牲になってしまう
  3. イニシャルコストを抑えた製品を選んだとしても、設計寿命が短いため、ランニングを含めたトータルコストで見た場合だと、コストメリットが見いだせない

純正ビルシュタインに近い特長を持ってそうな製品も数は少ないものの存在しますが、スポーツ走行において、今の足回りの性能をフルに引き出せていない点も踏まえると、道具を使いこなせる腕も無いのに下手に限界を高めるのは時期尚早だよね?という考えもあり、純正ビルシュタインを選択する結論に至りました。

あと、街乗りにおいて現状の足回りの(コンディションが良かった頃の)乗り心地に夫婦揃って満足していた点も大きかったです。

純正ビルシュタインへの交換に決めたものの・・・

社外品へのリプレースはメリットが低いとの結論に至り、再び純正ビルシュタインへ交換する事に決めたのですが、一つ大きな問題が。

現在はRS-RHTの純正ビルシュタインにアイバッハPro-kitの組み合わせとしているのですが、経年劣化でダウン量が増えてしまう問題があり要求事項を満たさないので、リプレース時には他の製品を選ばなければいけません。

かと言ってRS-RHT純正スプリングだと、乗り心地は良いものの「ロードスターアウトバック」みたいな見た目がちょっと・・・な感じだし、他の社外品のスプリングだと、ネット上でも装着事例が全然見つからない&バネレートやダウン量の情報の信憑性に乏しいので、購入は殆どギャンブルな感じ(笑)

そんな思案をしているうち、NR-Aの足回りがRHTにもポン付け出来る事を知りました。
初めからその線で調べれば早かった・・・と自分自身にツッコミを入れたのは言うまでもありませんw

純正なので設計寿命も問題無いし、車高の2cmダウンだし、乗り心地の悪化も最小限だし、スポーツ走行性能も今まで通りだし、価格も20万以内に収まるし、要求事項を完璧に満たしてくれます!

さっそくリプレースに向けた段取りを進めようと、部品をオーダーするためディーラーを訪問したのですが・・・ここからが長い道のりでしたw

長い道のりその1 NCのグレード構成を知らない問題

部品をオーダーしようとディーラーを訪問した私。
マツダディーラーなんだし「NC2のNR-Aグレードの足回り部品一式が欲しい」と伝えれば、サクッと伝票を作ってオーダー掛けてくれるものだと思っていたのですが・・・
応対してくれたサービス氏がNCのグレード構成を知らないと言う衝撃の事実が発覚w
そんな訳で、暫く全くと言っていいほど会話が噛み合わず、NR-Aがレギュラーモデルである事を理解して貰い、パーツのオーダーを受け付けて貰う必要がありました。。。

パーツのオーダーを受け付けて貰える事になった後も、ディーラーとしても、訳の分からないオーダーを受け付けてクレームを付けられたく無いからだと思われますが、明らかに予防線張りまくりな対応。

取り敢えず必要と思われるパーツ一式の明細を出してくれたものの、「品番違ってるかも知れないけど、返品NGで良ければ注文受け付けますよ~」と条件提示されたので、さすがに6万近い買い物を確信も無く頼む度胸は私には無いので、この日はオーダーせずに一旦撤退する事に。
まさか純正パーツをオーダーするのに、これ程苦労するとは思いもしませんでした(笑)
※みんカラで有識者なお友達の皆さんに質問させて頂いたのもこの頃でした

長い道のりその2 いつまで経っても納期未定問題

その後は、ディーラーで出して貰った必要と思われるパーツの明細内容を自分でも検証しようと散々ネットで調べた結果、メーカー・車種・年式・仕向け地毎のパーツリストがチェック出来るサイトを見付けました!

サイトのお陰で明細の内容が正しい事を確認する事が出来たので、最初にディーラーを訪れてから2ヶ月近く掛かって、ようやく正式にオーダーする事が出来たのですが・・・今度はなかなか部品が届かないw

NCでも販売台数が少ないNC2、その中でも更に個体数が少ないNR-Aのスプリングなんてオーダーした私に罰が下ったのか(笑)
オーダー直後から延々と納期未定な状態が続き、結局オーダーから4ヶ月近く掛かってようやく入手出来ました。。。

NR-Aの足回りにリプレースした感想

そんな手間と時間とお友達の知識を借りてようやく交換出来た足回り。

NR-Aと比べ重量配分が後寄りなRHTへの装着という事もあり、車高の前後バランスが気になる所でしたが、目視で確認する限り違和感も無くひとまず安心しました。

乗り心地に関しても、凹凸を乗り越えた際の硬さは(記憶の範疇ではありますが)RS-RHTの足回りより感じる様になったものの、衝撃が体へダイレクトに響く事も無く、適度に路面の凹凸度合いを感じさせつつも不快に感じさせない絶妙な塩梅。


交換後、さっそく嫁にも試乗して貰いましたが、嫁自身の好みとしてはむしろRS-RHTの足回りより好みの乗り心地で、二名乗車でも駐車場でメンバーをゴリゴリしない絶妙な車高と共に、NR-Aの足回りを大変気に入ってくれました。
そんな訳で、98%の街乗り用途においては、リプレースによって狙い通りの結果を得る事が出来ました。


あと、走行性能における部分ですが、リプレース前のダンパーが相当劣化していた事もありますが、街乗りレベルでもトラクションの掛かり具合が良くなった事が実感出来て、まるで新車に乗り換えた様な感覚になってビックリ!

ワインディングでのフィーリングを確かめようと某スカイラインを走って来ましたが、丁寧な荷重移動・ステア操作を心掛けさえすれば、修正舵無く狙ったラインを綺麗に駆け抜ける事が出来て、なかなかの好感触。


ダンパー・バネレートのスペック自体に大きな差異が無い事を踏まえると、去年末のサートラはご臨終寸前の足回りで出場して自己ベスト更新したので(笑)

今年はリフレッシュした足回りのスペックを引き出せる走りが出来れば、更なるタイムアップを期待出来そうです。

足回り交換の目的がサーキットでのタイムアップ、純正の性能に不満・不足を感じていて、より限界性能が高い足回りを試してみたいなど、明確に社外品を必要とする理由が無ければ、性能とライフとコストという相反する要素を絶妙なバランスで両立させている純正ビルシュタインサスは、弄った感こそ伴わないものの、ロードスターの持っている本来の味を楽しみ尽くすには、とても良い選択なのではと感じています。

 

 

純正品以外であれば、NB・NCロードスター開発主査である貴島孝雄氏が監修した、こちらのサスキットがお勧めです!

足回り交換で用意したパーツについて

私の様に純正、なおかつグレード違いの足回りにリプレースする方は殆ど居ないと思いますが、同じ様な考えがあり真似しようと考えている方がいるかも知れないので、今回の足回り交換で用意したパーツの一覧を公開します。
※明細の左から、品番、パーツ名称、入手個数、金額(単価×個数)となります。

品番とパーツ名称だけ見てどの部位のパーツか分からない方は、先ほど紹介したサイトで図面と合わせて各パーツの品番を確認出来ますので、そちらと合わせてご覧頂くと分かり易いです。
※金額記載のあるパーツについては見積提示を受けた時点の価格のため、現時点では変動が生じている可能性があります

注意点
※アッパーマウント(F18934340)は過去にNOPROのストロークアップアッパーマウントへ交換した際に外した純正品を残していたので、今回再利用しています。

※ショック品番以降の2行に記載の品番が、上段:リアダンパー、下段:フロントダンパーとなります。(別ルートで購入済だったため、ディーラーでは取り寄せせず)

※ダンパーを締結するボルト(9YA021223A)は再利用しています。

 

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