NC型ロードスターのRHT(リトラクタブルハードトップ)に起きたトラブルの顛末
納車以来9年間ノントラブルなRHTでしたが・・・
納車以来、モータースポーツでの酷使が原因のミッション、エンジンハーネス交換があった以外、これと言ったトラブルも無く元気に走り続けていた我が家のロードスターですが、久々のトラブルに見舞われました。。。(汗)
トラブル発生の経緯
10月中頃の週末、暫く乗っていなかったロードスターを動かそうとエンジンを始動しRHTを開けたところ、ハードトップを開ける際の動作の最終段階(RHTを格納する蓋を閉じようとするタイミング)で「バキッ!」と言う、今まで聞いた事の無い音が聞こえました。
※実際にトラブルが起きた事を認識し事の経緯を振り返ってみると、このタイミングでトラブルが発生した模様
その際は音以外で特に気になる事も無かったので出発し、帰宅途中に買い物へ立ち寄った際にRHTを閉じようと動作させたのですが、RHTを格納する蓋を開いた辺りで、左後方から「ガッガッガッ!」と言う何かが引っ掛かった様な音と共に、RHTからアラート音が鳴り響きます・・・。
初めは何が起きているのか理解出来なかったのですが、一旦閉じた後にもう一度開ける動作を試みても同じ現象が起きるので、ようやくRHTユニットに何らかの故障が起こった事を理解したので、買い物を諦めて速攻へディーラーへ。
私の慌てっぷりを察した様で、直ぐにサービスの方が状況を確認してくれたのですが、格納出来ない現象を確認した上で手動でRHTを閉じる事は出来たものの、エンジンONしている間はずっとRHTユニットのアラートが鳴りっ放しで、正常に運転出来ないリスクも排除出来ないため、修理が完了するまでディーラで預かって貰う事になりました。
発生原因の特定とその対処
結論としては、RHTユニットを稼動させているリンクデッキと呼ばれる部品のギアが欠損している事が原因でした。
以下は修理が完了しクルマを受け取った際に、担当して下さったサービス氏より受けた説明を要約した内容となります。
原因特定と修理の流れとしては
- 診断装置に接続して、不具合発生時の診断コードを確認
この時点では左右のRHTユニットで移動量のズレを検知したため、ユニットを保護するため緊急停止している事を確認出来たそうです。
- RHTユニットの取り出し
原因特定と修理を行うにはユニットの取り出しが必須になるそうです。
- 診断コードから不具合原因の仮説と検証
2.の診断結果から当初はモーターの故障を疑ったそうですが、モーターの出力に左右差が無いため、他に緊急停止に至る要因は何なのか?を突き止めるのに相当苦労されたそうです。
歴代ロードスターでも極端に販売台数が少ないRHTに関するトラブルだった事もあり、3大都市圏のディーラーと言えどもノウハウを持ち合わせておらず、原因の特定にかなり手間取ったとの事でした。
※実際、概ねの原因が特定出来たとの連絡を受けたのは3営業日後の事でした
※画像で指差している部分が今回の故障の原因でした原因特定作業に携わったサービスの皆さんも、まさかギアが欠損する事態は想像していなかったそうで、RHTユニットを動作させ、ギアが欠損している箇所でアラートを出して動作が止まったのを確認した時は、皆でガッツポーズして盛り上がったそうです。
原因特定に至るまでの一連の経緯(実際にはもっと長く熱く語ってくれました)を聞いていると、私も仕事で時々システム障害対応に携わる事がある身なので、ガッツポーズする気持ちに激しく同意してしまいました(笑)
無事故障を直す事は出来たものの、故障に至った要因(何が原因でギアが欠損したのか?)については残念ながら特定出来ませんでした。
普段の保管状況:舗装したガレージでカバーを掛けている
運用状況:RHTユニットに想定外の負荷を与える部品(SmartTOP)は未使用
と言った状況を踏まえると異物や想定外の負荷といった要因は考え難く、部品そのものの問題かも知れないと言う結論に落ち着きましたが、本当に部品そのものの問題だとすれば、それ程遠く無い将来、今回は交換していない右側も同じ故障が発生するリスクが高いと思われるので、僅かながら不安を残す事となりました。 - 代替部品取り寄せ
原因が判明したので、後は代替部品を取り寄せて取替え・・・なのですが、歴代ロードスターでも極端に販売台数が少ないRHT、しかも単価が高い部品と言う事もあり、都道府県内のパーツセンターには当然在庫が無く、7営業日ほど掛けて遥々広島からやって来たそうです。あと、発注依頼を掛けようと在庫検索したタイミングでは、マツダ本体でも該当型番は僅かな在庫しか持っていなかったそうで、部品単価も考慮すると、最悪このまま廃盤なんて事も有り得るかも知れないですね。。。
NCも初期型では既に廃盤となった部品があるとの話を聞いた事があるので、即納までは望みませんので、NAと同じく部品供給体制を維持して貰えると有り難いですよね。
- 部品の取替え、RHT稼動部調整、試運転
RHTはあの狭いスペースに複雑な稼動機構を設けている事からも、電球などの様に該当部品を取り替えれば完了!という訳に行かず、各稼動部のクリアランス調整などを行っては試運転で動作確認を繰り返して、ようやく一連の対応作業を完了したとの事でした。
今回のトラブル対応に掛かった費用
リンクデッキの部品単価にはビビリましたが(笑)
発生原因の特定とその対処で書いた通り、原因特定に要した時間も含めると結構な工数が掛かった事が窺い知れるのですが、主要なスタッフの方と付き合いが長いお陰か?該当部品を取り替える際の標準工数分だけの技術料しか請求されなかったので、当初想定していた最小限の修理費用で済みました。感謝感謝です。
ディーラーの弊店間際の受け取りで遠出出来ませんでしたが、2週間振りだったので、もちろんオープンにして夜ドライブしてから帰宅。
修理の際にRHT稼動部を調整した効果か?開閉時の動作音がかなり静かになっていた事は嬉しい驚きでした。